マンション売却と賃貸
どちらがお得?メリット・デメリットを比較

急な転勤や海外赴任で、購入したマンションから引っ越しをしなければならなくなった時、マンションを売却するか賃貸するか悩むかもしれません。近年、サラリーマンの間で不動産投資が流行していることもあり、賃貸を選ばれる方もいらっしゃいますが、賃貸にもさまざまなリスクが存在します。売却が良いか、賃貸が良いか慎重に判断しましょう。

そこで、今回はマンションを売却・賃貸する目的やそれぞれのメリット、デメリット、どちらを選ぶべきかのポイントについてお伝えしていきます。

マンションを売却・賃貸する目的

最初にマンションを売却・賃貸する目的についてお伝えしたいと思います。

マンションを売却する目的

マンションを売却する一般的な目的としては、子供が大きくなって現在の住まいが手狭になってしまったり、逆に子供達が実家から出ていって部屋がいらなくなったりするなど、家族構成やライフスタイルの変化が挙げられます。他に、転勤などお仕事の都合で住み替えしなければならなくなったというケースもあるでしょう。
また、マンションを購入して投資運用している場合、投資戦略の出口戦略として売却するケースが考えられます。この場合、基本的には保有期間中に得る賃貸収入を目的としてマンションを購入しますが、十分な利益を得たと判断した場合や、今後十分な賃貸収入を得られないと判断した時に売却します。
その他、何らかの理由でまとまった現金が必要だったり、相続したマンションで実際には使っておらず管理が手間だったりなど、いろいろな目的が考えられます。
何らかの理由でまとまった現金が必要な場合には急いで売却しなければならないでしょう。一方で相続したマンションであれば、高値で売れる買い手をゆっくり探しても良いかもしれません。

マンション売却の方法

マンションを売却する目的の次は、実際にマンションを売却する際の方法についてご紹介します。
マンションを売却する方法として一般的なのは、不動産会社に仲介(媒介)を依頼する方法と、不動産会社に買い取ってもらう方法です。
不動産会社に仲介を依頼する方法には「一般媒介契約」と「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあります。

- 一般媒介契約
一般媒介契約は、3つある媒介契約の中で唯一、同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約方法です。
ただし、不動産売却の仲介手数料は、売買契約が成立した時のみ支払う成功報酬のため、不動産会社としては一般媒介契約の物件はチラシ等の広告を積極的に行わない可能性があります。他にもいくつかの違いがありますが、この点が一番大きな違いだと言えるでしょう。

- 専任媒介契約
専任媒介契約は一般媒介契約とは異なり、同時に1つの不動産会社にしか仲介を依頼できない契約方法です。
専任媒介契約を結ぶと、2週間に1回の進捗報告や、契約後7日以内の不動産情報システムREINS(レインズ)への登録などが義務付けられるため、よりきめ細やかな対応を期待できます。
不動産会社としては、仲介手数料を他の会社に取られる心配がないため、一生懸命売却活動に取り組んでもらいやすくなります。

- 専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、基本的な内容は専任媒介契約と同じで、さらに自己発見取引、つまり仲介を依頼した本人が自分で買主を見つけてくることも禁止されます。
さらに、進捗報告が1週間に1回以上、REINSへの登録が契約後5日以内などより細かな対応を望むことができます。

- 買取
媒介契約とは違う売却方法として、不動産会社に直接買い取ってもらう方法があります。不動産会社と媒介契約を結ぶ方法だと、すぐ買主が見つかることもありますが、場合によっては数ヶ月見つからない事もあります。
一方、買取では不動産会社との交渉で条件がまとまれば、すぐにまとまった資金を手に入れることができます。何らかの理由ですぐにまとまった資金が必要なケースなどでは活用したい方法です。ただし、一般的に買取による方法では、仲介による売却より買取価格が安くなってしまいます。

マンションを賃貸する目的

マンションを当面使わない状況になってしまった場合、売却ではなく、賃貸に出して賃料収入を得るという方法もあります。
一般的に、マンションを賃貸する目的としては転勤や長期出張などで一時的にそのマンションを使わなくなるケースと、投資運用して収入を増やしたいと考えているケースがあるでしょう。

- 転勤や長期出張で賃貸に出す
転勤や長期出張が決まり、賃貸に出すというケースです。
売却と合わせて検討することができますが、賃貸に出しておけば将来帰ってきた時に再度住むことができます。
将来帰ってくる日が明確であれば、契約期間を定めた定期借家契約で貸すことが大切です。

- 投資運用して収入を増やす
次に、そもそも投資運用のために賃貸に出すという目的も考えられます。
賃貸に出して賃料収入を得て利益がでれば、その分生活にゆとりを持つことができます。

マンションを賃貸する方法

ここでは、具体的にマンションを賃貸する方法についてお伝えしています。
マンションを賃貸する方法としては、主に以下の3つがあります。

・普通借家契約
・定期借家契約(リロケーションサービス)
・サブリース(マスターリース)契約

- 普通借家契約
普通借家契約はごく一般的な賃貸契約を思い浮かべると良いでしょう。契約期間は2年ごとの更新とされることが多く、また正当な事由がない限り更新されます。
借主が引き続き住むことを希望している場合には、貸主に正当な事由がなければ、貸主から契約期間終了時の更新に際し拒絶することができないなど、借主の強い内容となっています。そのため、将来、帰ってくる可能性がある時は十分に注意しなければなりません。

- 定期借家契約(リロケーションサービス)
定期借家契約は契約の更新のない契約で、契約期間も自由に設定できます。そのため、「1年後に帰ってくる予定」など帰ってくる日が決まっている場合には使いやすい契約です。
定期借家契約を活用したサービスとして、リロケーションサービスがあります。リロケーションサービスは転勤や海外赴任などでマンションを留守にする際に、その間他人にマンションを貸し出すサービスです。
リロケーションサービスは貸出期間を自由に設定できますが、あまり短いと借りても見つかりづらいため、半年よりも長い期間を設定することが多いです。
ただし、リロケーションサービスは普通に賃貸に出す場合と比べて賃料が低くなる傾向にあることに注意が必要です。

- サブリース(マスターリース)契約
サブリース契約はサブリース会社にマンションを賃貸することで一定額の賃料保証を受けられる契約です。一般的には、入居者が退去して新しい入居者が決まるまでの空室期間中は賃料収入が発生しません。一方、サブリース契約を結んでおけば、空室時も収入を得られるので、新たな入居者が決まるか心配する必要がありません。
ただし、サブリース契約では、入居者が支払う賃料よりも低い金額が設定されます。

マンションを賃貸するメリットとデメリット

マンションと売却、賃貸する目的や方法について確認してきましたが、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
ここでは、マンションを賃貸する場合のメリット・デメリットをお伝えします。

マンションを賃貸するメリット

マンションを賃貸するメリットとしては以下のようなものがあります。

・賃料収入が得られる
・節税効果を得られる
・分譲賃貸は賃貸マンションより人気があり、賃料が高い傾向にある
・賃料収入が得られる

マンションを賃貸するメリットはやはり賃料収入が得られることでしょう。
住宅ローンを返済中であっても、賃貸収入から住宅ローンを返済することも可能で、将来売却する資産としての効果も期待できます。
ただし、住宅ローンは基本的に、「居住する人」のためのローンであるため、返済の途中で他人へ賃貸することは基本的に認められていないことが殆どです。条件によっては、そのままローンを利用できるケースもあるためまずは金融機関の担当者に確認するようにしましょう。継続利用が不可能な場合は、賃貸に対応するローンへの借り換えが必要ですが、一般的に住宅ローンより金利が高くなってしまいます。

- 節税効果がある
所有しているマンションを賃貸に出すことで節税効果を得ることができます。例えば、賃料収入は不動産所得として計算し、出た利益に対しては確定申告して税金を支払う必要がありますが、ローンの金利や固定資産税は経費として計上することができます。
また、あまり良いことではありませんが不動産所得が赤字であれば、給与所得と合算して所得税を還付することができます。
なお、不動産所得の経費として減価償却費や青色申告特別控除を利用することもできますが、これらは実際に現金の支出を伴わない経費のため、上手に活用することで節税効果を高められます。

- 分譲賃貸は賃貸マンションより人気があり、賃料が高い傾向にある
分譲マンションを賃貸に出すことをアパート等と比較して分譲賃貸と呼びますが、分譲賃貸は一般的な賃貸マンションと比べて高い家賃で貸し出せます。
賃貸マンションは、一般的に利回りを高くするためできるだけ安く作られる傾向にあります。一方で、分譲マンションは永く住むことを前提としており、性能面やセキュリティ面に力を入れているからです。
ただし、分譲賃貸では、貸主が管理費用や修繕積立金を負担しなければならない点や、管理組合に参加しなければならない点などには注意が必要です。

マンションを賃貸するデメリット

一方、マンションを賃貸するデメリットとしては以下のようなものがあります。

・初期投資の費用がかかる
・空室リスクなどさまざまなリスクを負う必要がある
・一度賃貸に出すと退去させるのは困難
・転居先で住宅ローンの審査が厳しくなる
・管理の手間がかかる
・賃貸収入を得た場合は確定申告が必要になる

- 初期投資の費用がかかる
マンションを賃貸に出す際に、壁紙の一部の張り替えやハウスクリーニングなどすることが多く、初期投資の費用が掛かります。
また、数年単位で賃貸に出す場合、退去時に再度壁紙の張り替えやハウスクリーニングをする必要があるのに加え、エアコンの取り換えなどの設備に交換・補修費用が発生する場合があります。

- 空室リスクなどさまざまなリスクを負う必要がある
マンションの賃貸を投資と考えると、空室リスクや事故リスクなどいくつものリスクを負う必要があります。
空室状態だと賃料収入が得られないため、ローンの残債がある場合にはそれまでの蓄えから支払わなければなりません。
また、入居者が自殺してしまったり、火事など事故を起こしてしまったりすると事故物件となり、次に賃貸に出すのが難しくなってしまう可能性もあります。

- 一度賃貸に出すと、貸主の都合で入居者を退去させるのは困難
賃貸契約は、基本的に借主に都合の良い内容となっているため、一度賃貸に出すと退去させるのが難しいという点はよく留意しておく必要があります。
将来的に、戻る可能性が高いのであれば、賃料は安くなってしまいますが定期借家契約(リロケーションサービス)を活用すると良いでしょう。

また、賃貸に出したまま売却する場合、オーナーチェンジと呼ぶこともありますが、投資用の物件として見られることになります。
一般的に、投資用の物件を買い求める人は収益物件として利回りを重視し、居住用のマンションより売却金額が下がってしまう傾向にあります。

- 転居先で住宅ローンの審査が厳しくなる
住宅ローンの残債が残ったまま賃貸に出すと、転居先で新しい住宅を購入する際、住宅ローンの二重払いとなりローンの審査も厳しくなります。
仮に審査の承認を得られたとしても返済の負担が大きくなってしまうでしょう。

- 管理の手間がかかる
マンションを賃貸に出すと管理の手間がかかってしまいます。
マンションの管理を不動産会社に依頼すると管理委託料を支払う必要があり、得られる収入が減ってしまいます。

自分で管理することもできますが、入居者対応やトラブル対応(賃料の滞納や敷金返還)などに対応する必要があります。
また、自分で管理するにせよ、不動産会社に管理を依頼するにせよ水漏れや設備故障の際にはどう対応するのか判断し、必要であれば修理費用を支出する必要があります。

- 賃貸収入を得た場合は確定申告が必要になる
賃貸収入を得た場合には、翌年の2月16日~3月15日までの間に確定申告する必要があります。利益に応じた税金を支払わなければならないのに加えて、申告のための書類を用意したり、保管したりしなければならず、手間が掛かります。

マンションを売却するメリット・デメリット

次に、マンションを売却する際のメリット・デメリットをお伝えします。

マンションを売却するメリット

マンションを売却するメリットには以下のようなものがあります。

・まとまった現金が手に入る
・ランニングコストが掛からない
・居住用不動産は税制優遇を受けられる
・まとまった現金が手に入る

マンションを売却するメリットとしては、まとまった現金が手に入るという点が挙げられるでしょう。

購入時に住宅ローンを組んでいた場合は売却資金で残債を完済するため、転居先で新しく住宅ローンを組んで住宅を購入することができます。
なお、購入時に住宅ローンの保証料を一括払いしている場合が多く、住宅ローンを組んでからあまり期間が経っていなければ、一括返済することで先に支払った銀行保証料の返戻金を受け取ることもできます。

- ランニングコストが掛からない
マンションは保有しているだけで固定資産税や管理費、修繕積立金などを支払わなければなりません。これは賃貸に出していようが出していまいが同様に必要なランニングコストです。

しかし、マンションを売却してしまえばこれらのランニングコストを負担する必要がなくなります。
ただし、マンションの売却時には印紙税や仲介手数料、利益が出た場合には所得税や住民税を支払わなければならない点に注意が必要です。

- 居住用不動産は税制優遇を受けられる
マンションを売却する際、減価償却や各種経費を差し引いても利益が出た場合、確定申告して所得税や住民税を支払う必要があります。
しかし、売却したマンションが居住用不動産であった場合には、3,000万円の特別控除や各種買換え特例を受けることができます。

マンションを売却するデメリット

次に、マンションを売却するデメリットには以下のようなものがあります。

・すぐに売却先が見つかるとは限らない
・部屋の状態によってはリフォームが必要になることもある
・仲介手数料や税金など一定の費用がかかる
・すぐに売却先が見つかるとは限らない

マンション売却のデメリットは、すぐに売却先が見つかるとは限らないという点です。居住用不動産として売却を進めていた場合、売却活動中に賃貸に出すわけにもいきません。売却先が見つからない間は管理費・修繕積立金や固定資産税などを支払い続ける必要があるため、負担は大きいです。

マンションを売却するまで3〜6ヶ月程はかかると考えておいたほうが良いでしょう。買い手がなかなか見つからない場合には、売却価格が相場より高く設定されている可能性があるため、値下げを検討する必要があります。

なお、マンションの売却期間は立地や築年数から受ける影響が大きく、立地が良ければ1カ月も掛からず売却してしまうことが多い一方、築年数が古かったり、立地が郊外だったりすると3~6カ月経っても売れないこともあります。

売却期間があまり長く掛かってしまった場合や、事前にそのことが想定されるようであれば不動産会社に直接買い取ってもらう直接買取制度を利用するのも一つの方法です。
買取では、仲介による方法より価格が安くなる傾向にありますが、価格が折り合えばすぐに売却することができます。

- 部屋の状態によってはリフォームが必要になることもある
マンションを売却するにあたって、状態が悪ければリフォームする必要がある場合もあります。使いにくい間取りである場合や、フローリングや壁に大きな傷やへこみがある場合には修復しないと売却に期間がかかる可能性が高いでしょう。

なお、多少のリフォームを行っても、売却価格にリフォーム価格分を上乗せできることはそう多くありません。
リフォームをするべきか、クリーニングだけで済ませられるのかどうかの判断は慎重に行う必要があります。

マンションの賃貸と売却で迷った際に考えたいポイント

当面使う予定のなくなったマンションを賃貸に出すか、売却に出すか悩まれた際は以下のようなポイントを考慮してどちらにするか判断すると良いでしょう。

人生プランを確認する

まずは、人生のプランからどちらにするべきか選ぶと良いでしょう。
一時的に退去するだけであれば、マンションを売却してしまうと、将来帰ってきた時にまた住まいを探さないといけなくなってしまいます。将来返ってくる可能性が高いのであれば、賃貸を選ぶと良いでしょう。その際は、普通借家契約では借り手が強いため、入居者によっては退去してくれない可能性があります。多少賃料収入が減っても定期借家契約を結んでおくと、将来帰ってきた時に便利です。

将来帰ってくる見込みがない場合には、賃貸と売却どちらも活用できます。売却してしまえば、ローンも完済できますし、管理の手間やランニングコストなど考えないで済み、転居先で新しい住宅を買い求めることができます。一方、賃貸でローン以上の賃料を得ることができれば副収入を得られ、生活にゆとりをもたらすことができるでしょう。不動産所得の節税効果も見逃せません。

賃貸と売却、両方のメリット・デメリットを比較する

賃貸と売却どちらにするべきか迷った時は、それぞれのメリット・デメリットを比較して検討すると良いでしょう。

特に賃貸に出す場合は管理の問題や節税効果など、不動産投資に関する幅広い知識が必要になります。売却してしまえば楽ですが、最初の数年は賃貸に出して、その後、売却するといった方法を選択することで、利益を最大化できるかもしれません。
明確なプランや知識を得た上で、判断するのが一番です。

専門家に相談する

とはいえ、急な転勤などで知識を得る時間がない場合もあるでしょう。困った時は、不動産会社の専門家にどうすれば良いか相談してみることをオススメします。売却価格と賃料査定、直接買取など、幅広い選択肢を提示してくれる不動産会社を探しましょう。

メリット・デメリットを比較検討して決めよう

利用しなくなったマンションを売却するか、賃貸するかどちらが良いかについては、将来帰る可能性があるかどうかなど、条件によって異なります。
今回お伝えした、賃貸と売却それぞれの特徴とメリット・デメリットをよく理解し、自分の状況と照らし合わせて比較検討した上で選ぶようにしましょう。

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