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投資用マンションを相続したらどうする?知っておきたい8つの手続きを解説

相続では投資運用をしている物件を引き継ぐ人も多いです。相続した後にご自身で運用を継続するにしても、すぐに売却を検討するにしても、相続した時に必要な手続きがあります。

投資用マンションでは、借主や管理会社、金融機関も関係するため特有の手続きが必要となります。また、相続直後から賃料も発生しますし、被相続人には亡くなる直前まで不動産所得があったことから、その所得の申告も必要となってきます。

投資運用の経験のない人にとっては、何をやればいいのか分からず不安な部分も多いと思います。そこで、この記事では8つの「投資用マンションを相続した場合の手続き」を解説致しますので、投資用マンションを相続した後、どのような手続きを踏めば良いのか理解しましょう。

1.引き継ぐ人を決める

投資用マンションを相続したら、まずは、相続人の中で誰が物件を引き継ぐのかを決めます。
引き継ぐ人は、遺言が残されていれば、遺言に従うのが原則です。そのため、引き継ぐ人を決めるにあたっては、まずは遺言の有無を確認するようにしてください。
遺言が残されていない場合には、相続人による遺産分割協議によって引き継ぐ人を自分たちで決めます。

遺産分割協議では最終的に遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書はその名の通り、遺産分割協議で決めた内容を書面に取りまとめたものです。遺産分割協議書には全員の同意と押印が必要です。

投資用マンションを名義変更する際にも、「遺言書」または「遺産分割協議書」が必要書類となります。そのため、遺言書がない場合には遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺産分割協議書には法律上の作成期限はありませんが、名義変更に必要ですので遺言書がない場合には早めに作成するようにしてください。

2.賃料の取り扱いを決めておく

投資用マンションの相続では、賃料の取り扱いを決めておくことも重要です。

賃料については名義変更が完了するまで、継続して被相続人(亡くなった人)の口座へ振り込まれていきます。厳密にいえば、名義変更が完了するまでの賃料は、投資用マンションを引き継ぐ人のものではありません。そこで、相続後から名義変更完了までに発生した賃料については誰が引き継ぐのかを決めておく必要があります。

相続後から名義変更完了までの賃料については、法律上の取決めはありません。取り決めのないことなので、相続人同士の話し合いで円満に決まれば、自由に分けて良いことになります。

ただし、最高裁平成17年9月8日第一小法廷判決にて、相続開始から遺産分割までの、賃料債権の分配方法は法定相続分に応じて行うものとするという判決があります。

相続財産は、本来、遺産分割をしなければ法定相続分にて共有状態となります。最高裁の判例では、遺産分割まで、つまりは名義変更完了までは共有状態であるのだから、法定相続分で分けるべきという考え方を示しています。判例は相続人同士で分け方を話し合う際に、一つの参考にしてみてください。

3.債務の引き受けをする

投資用マンションの相続では、債務の引き受けをすることも必要となります。不動産投資ローンの返済などの借金が考えられます。

投資運用をしている人は、相続税対策で行っていた人も多いと思いますので、財産を減らすために借金も残しているケースが多いです。借金もマイナスの財産として相続人が引き継ぎますが、借金も何もしないと相続人の共有財産となってしまいます。

不動産投資ローン等は、基本的には投資用マンションに抵当権が設定されていますので、投資用マンションを引き継ぐ人が債務も引き継ぐように調整することが必要です。

投資用マンションを引き継ぐ人が決まったら、その人が不動産投資ローンの債務者になるように金融機関と打合せします。なお、不動産投資ローンでもまれに被相続人が団体信用生命保険に加入しているケースはあります。

団体信用生命保険とは
ローンの契約者が被保険者となります。死亡または所定の高度障害になり、ローンの返済が困難になってしまった際に、そのローンを保険会社が被保険者の代わりになって金融機関に返済するという保険です。住宅ローンでは、借入時に加入が必須となっていることが多いです。

団体信用生命保険にしていれば、借金は残らないことになりますので、念のため被相続人が団体信用生命保険に加入していたかどうかを確認するようにしてください。

4.マンションの名義変更の登記を行う

投資用マンションを引き継いだら、相続したマンションの名義変更が必要です。この場合、名義変更とは、登記簿謄本に記載されている所有者の名義を相続人に変更する登記のことです。「相続を原因とする所有権移転登記」とも言われます。

登記に関しては司法書士に依頼するのが通常です。司法書士に依頼する場合は、司法書士の報酬を支払う必要があります。

名義変更に必要な費用は、下記の3つです。
・司法書士の報酬
・登録免許税
・必要書類の取得にかかる費用

─ 司法書士の報酬
司法書士連合会による報酬に関するアンケート結果(2018年1月実施)によると、相続の所有権移転登記の司法書士の報酬は下表のようになっています。

 相続を原因とする所有権移転登記の報酬
地区 全体の平均値
北海道地区 60,983円
東北地区 60,667円
関東地区 65,800円
中部地区 63,470円
近畿地区 78,326円
中国地区 65,670円
四国地区 65,578円
九州地区 62,281円
  • 相続を原因とする土地1筆及び建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)の所有権移転登記手続の代理業務を受任し,戸籍謄本等5通の交付請求,登記原因証明情報(遺産分割協議書及び相続関係説明図)の作成及び登記申請の代理をした場合
  • 日本司法書士会連合会作成の「報酬に関するアンケート結果(2018年1月実施)」より引用

─ 登録免許税
名義変更の登記にあたっては登録免許税という税金も発生します。登記を申請する際に納付しますので、司法書士に登記を依頼する場合は司法書士へ支払います。

登録免許税は固定資産税評価額から計算できます。相続を原因とする所有権移転登記の登録免許税の計算式は以下の通りです。

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%

固定資産税評価額とは?
固定資産税評価額とは、固定資産税算出の基準となる固定資産の価値のことです。マンションが所在する市町村の役所で取得することができる固定資産税評価証明書で確認することができます。

次に必要な書類についてご説明します。
先述の通り、名義変更には「遺言証書」または「遺産分割協議書」が必要書類となります。どちらで行うかによって必要な書類が異なりますので、それぞれ説明ます。

遺言書による名義変更に必要な書類

まずは、遺言書による名義変更です。一般的に利用されている遺言書の種類は、「公正証書遺言」と「自筆遺言」の2つです。

─公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証役場に保管されている遺言です。公正証書遺言であれば特に問題なく遺言書を利用して手続きを進めることが可能です。

─自筆遺言
公正証書遺言に対し、自筆遺言とは被相続人が自筆で書き残した遺言になります。自筆遺言の場合、名義変更を行う前に家庭裁判所による検認が必要です。

自筆遺言が封印されている場合、家庭裁判所にて開封することが必要になります。違反しても遺言の内容が無効になるわけではありませんが、家庭裁判所以外で開封すると過料の制裁があります。なので、封印されている遺言書の場合には、まず家庭裁判所に検認手続することから始めるようにしてください。

 

遺言書による名義変更に必要な書類

  • 遺言証書
  • 遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
  • 遺言により相続する相続人の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 受遺者の戸籍謄本
  • 相続関係説明図(任意)

遺産分割協議書による名義変更に必要な書類

次は、遺産分割協議書による名義変更の場合に必要な書類は以下の通りです。
遺産分割協議書は相続人全員の実印押印が必要です。また、名義変更の手続きにおいても相続人全員の戸籍謄本や住民票が必要となりますので、ご注意ください。

 

遺産分割協議書による名義変更に必要な書類

  • 遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書添付)
  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

以上、名義変更の登記に必要な書類をご説明しましたが、登記を司法書士に依頼した場合は司法書士からも必要書類や取得方法のご案内がありますのでご安心ください。

また、遺言や遺産分割協議書は、不動産の名義変更だけでなく、被相続人の銀行口座の凍結解除等にも必要な書類です。とても大切な書類になりますので、注意しながら扱うようにしましょう。

5.準確定申告を行う

不動産投資をしていた人は、不動産所得がありますので通常は確定申告を行っています。投資用マンションを相続した場合は、被相続人の準確定申告を行う必要があります。

準確定申告とは、被相続人が死亡した年の1月1日から死亡した日までの所得の確定申告のことです。

準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行わなければいけないという期限があります。相続人等が2人以上いる場合は、各相続人等が連署により準確定申告書を提出することが必要です。

6.相続税の納税を行う

相続税の納税義務のある人は、相続税の納税を行います。相続税の申告と納付は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行うことが必要です。

投資運用をしていた人は、相続税の課税される資産家であることも多いと思われます。相続税の納税義務があるのか分からない人は、被相続人の財産が基礎控除額以上であるかどうかを確認するようにしてください。

相続税は、被相続人の財産が基礎控除額を超えている場合に発生する税金です。基礎控除額の計算式は以下のようになります。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が配偶者と子供2人の場合、法定相続人の数は3人になります。法定相続人が3人なら基礎控除額は4,800万円ということです。被相続人の財産が4,800万円超であれば、相続税が発生することになります。

相続税については、こちらの記事で解説しておりますので、詳しくはこちらをお読みください。
「不動産の相続で揉めないポイントとは?相続税の仕組みを基礎から解説」

7.管理会社と借主に連絡する

相続が発生したら、まずは投資用マンションの管理会社に連絡を行います。
「連絡窓口」と「振込口座」を伝えましょう。

― 連絡窓口
貸主には賃貸人としての修繕義務や敷金返還義務があります。修繕の依頼や解約の申し出があった場合には、誰に連絡すべきか窓口を伝えておきます。窓口は、投資用マンションを引き継ぐ予定の人が適切です。

― 振込口座
名義変更が完了したら、家賃の振込口座も変更します。新しい振込口座もを管理会社や借主に伝えます。借主にも相続により賃貸人が変更になったことや振り込み先が変更になったことを伝える必要があります。通常、管理会社が「賃貸人変更通知書」という借主に向けたお知らせを作成し、送付をしてくれます。

振込口座を伝える際に、念のため賃料が管理会社経由で振り込まれているのか、借主から直接振り込まれているのかを確認してください。管理会社経由で振り込まれる場合には、入金されるスケジュールも忘れずに確認しましょう。

なお、投資用マンションを引き継いだ人は、敷金返還義務を引き継ぎます。借主が退去すれば、預かっていた敷金を返還しなければいけないということです。

被相続人は敷金を直接受領していましたが、投資用マンションを引き継いだ相続人は敷金を受領してはいません。そのため、たまたま引き継いだ後にすぐ借主が退去してしまった場合、新しい貸主は自分の貯金の中から敷金を返還するような形になるので、注意してください。

8.売却か保有か今後の方針を決める

最後に、投資用マンションを無事引き継いだら売却か保有か今後の方針を決めていきます。相続で引き継ぐ投資用マンションは、一般的に築年数が既に相当古くなっていることが特徴です。築年数の古い物件は、今後、修繕費と空室リスクの両方が増えていきます。

支出が増え、収入が減るわけですから、被相続人が所有していた頃よりも投資運用は難しくなります。また、収益面だけではなく、投資運用にあたっては入居中も修繕などの問い合わせの対応があったり、退去してしまえば再募集の対応が必要となってりと手間も生じます。管理会社に管理を委託している場合も最終的な判断は貸主であるあなたに求められます。

そのため、保有し続けるのも良いですが、売却して現金化することも選択肢の一つです。不動産売却の第一歩として、まずは、いくらで売却できるのか査定を依頼してみてもよいでしょうか。

スター・マイカでは、投資用マンションを入居者が入居したままの状態で買い取るオーナーチェンジを創業以来行っています。

買い手のつきにくい築年数が古い物件やサイズの大きい物件も買取可能です。投資用マンションであってもリノベーションマンションの「素材」として評価する「オーナーチェンジ物件の買取を中心とした独自の事業スキーム」を持っているためです。

査定依頼は、査定依頼フォームよりお問い合わせください。査定依頼はもちろん無料です。

まとめ

投資用マンションを相続した場合の手続きについて解説してきました。投資用マンションの相続では以下の8つの手続きが必要です。

1.引き継ぐ人を決める
2.賃料の取り扱いを決めておく
3.債務の引き受けをする
4.マンションの名義変更の登記を行う
5.準確定申告を行う
6.相続税の納税を行う
7.管理会社と借主に連絡する
8.売却か保有か今後の方針を決める

通常の不動産にはない手順も含まれますので、よく確認した上で手続きを進めるようにしましょう。

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